エンターテインメント・トランスフォーメーション(EX)をかかげるスマートフォンゲーム展開のcoly(コリー)。ゲーム、メディア事業ともに大きく売上高は減少し、新規事業投資の影響他で営業損益の赤字が大きく拡大。とくにゲーム事業の減収の挽回の見込みはあるのか?
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■基本情報(2023年6月16日時点)
- 株価:1,037円(10年来高値:9,890円)
- 時価総額:57億円
- 予想PER:11.4倍
- PBR:0.92倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:89.7%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:2,718人(2023年1月31日時点)
■colyの業績は?
colyの2024年1月期の第一四半期の売上高は8.6億円(前年同期比△23.6%減)、営業損益△4.0億円(前年同期は△78百万円)と減収赤字幅の拡大となった。colyの売上総利益率は+22.4%(前年は+41.7%)と大きく悪化。
colyの売上総利益は前年の4.7億円→1.9億円に△2.8億円のマイナス、販管費は5.5億円→5.9億円と+0.4億円の悪化となり、差し引きで営業損益は△3.2億円のマイナスとなった。
■既存タイトルの苦戦!
coly業績の悪化の理由は、既存タイトルが稼げなくなったことに尽きる。ゲームの売上高が大きく下落し、固定費をカバーできない水準まで下落している。現状は「スタンドマイヒーローズ」と「魔法使いの約束」の2タイトルのみが会社を引っ張っており、300名を超える企業としては心細い。
また、売上規模が下がっているものの、販管費を下げることができず、収入と支出のバランスが崩れ、赤字を垂れ流す構造がつづいている。今期はもしかすると、10億円を超える赤字を計上する可能性もある。
■colyの財務状況は?
colyの2023年4月末時点の財務諸表をみると、現預金は58.3億円、その他はほとんど資産を持っていない。有利子負債はゼロで、契約負債(前受金)1.8億円を計上しているくらい。よって、キャッシュの価値だけで58億円くらいある会社の時価総額が57億円であり、事業価値はほぼゼロ評価と言えるだろう。
2023年1月期のcolyのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは△6.8億円、投資CFは△1.1億円、財務CFは△3.1百万円と前期比で現預金の増減は△8.0億円。上場してから業績の悪化が進んでいる。
■colyの株価推移は?
colyの時価総額は約60億円。上場後の高値で時価総額は600億円くらいだったので、株価は10分の1くらいまで下落している。将来的な事業成長が見えず、ヒットタイトルを期待する状況になっている。ただし、スマートフォンゲームメーカーの場合、1つのヒットタイトルがでると一気に業績が改善する可能性もあるため、期待してcoly株を購入している個人投資家も少なくないだろう。
colyの従業員数は330名(非正規社員は105名)、平均年齢は30歳、平均年収は455万円(前年は456万円)。colyは採用では苦戦していないものの、業績不振がつづくと離職者も増えてくるのではないだろうか。
ただ、株価が低迷しており、将来的に業績挽回を期待するのであれば、株の仕入れ時であることは間違いない。もちろん、ここから時価総額30~40億円くらいまで、なだらかに下落する可能性もあるので、分散しての購入が現実的だろう。
以 上