グローバルENS(Expert Network Service、エキスパートネットワークサービス)や国内事業者向けにインタビュー、オンラインサーベイなどサービスを展開しているビザスク(VISASQ)。米国の経済が悪化しており、買収したColemanの赤字幅が拡大。しかしながら、営業CFはかろうじてプラスを維持している。今後の業績と株価の行方は?
グローバルENSのビザスク(VISASQ)、ほぼ成長停滞、COLEMANの買収効果は?(2023年7月16日投稿)
■基本情報(2023年10月13日時点)
- 株価:1,086円(10年来高値:7,120円)
- 時価総額:100億円
- 予想PER:99.8倍
- PBR:3.18倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:60.1%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:6,499人(2023年2月28日時点)
■ビザスクの業績は?
ビザスクの2024年2月期の第二四半期の売上高は43.2億円(前年比+4.2%増)、営業利益△1.3億円(前年は+1.5億円)と増収赤字転換となった。ビザスクは売上総利益を公表していないため粗利がわからない。
取引高と営業収益(売上高)の比率を示したリターンレートは72%前後で推移している。顧客から受け取る代金100万円に対して、外部エキスパートに28%くらい支払い、残り72%をビザスクが受け取るビジネスモデル。そこから営業費用を差し引いて、営業利益が算出される。
■ビザスクの事業状況は?
ビザスクの事業に大きく影響するグローバルなM&A市場は大きく減少している。決算説明資料をみると、2021年度に比べて半減している状況だ。コンサルティング会社からビザスクなどのグローバルENS事業者への依頼も減っている。
いっぽうで、国内の事業は堅調で売上規模は減っているものの、営業利益率は59%と高収益を維持している。やはり、買収した米国のColemanが足を引っ張る状況だ。国内のクライアント口座数は1,550口座、1口座あたりの取扱高は1.9百万円となっている。
■ビザスクの株価推移は?
ビザスクの時価総額は約100億円。現在の株価は約1,100円。すでに高値から7分の1まで下落している。3か月前の2023年7月から株価は30%以上も下がっている。米国の経済悪化によりグローバルなM&Aが激減し、とくに米国のColemanの業績が悪い。しかしながら、米国の経済が復活すると、ビザスクの業績が回復する可能性が高く、個人投資家を中心にナンピン買いをしている人が多いのだろう。
ただ、米国経済は金利上昇の影響でこれからますます経済は悪化すると見込まれ、どのくらいで経済が回復するか先行きが見えない。当面は様子見が無難ではないだろうか。
以 上