２万円以上の肩こり解消の磁気ネックレスColantotteを中心に医療機器事業を展開しているコラントッテ。2023年11月10日発表の今期の業績予想をみると、売上高55億円（前年比+1.7%増）、営業利益10.6億円（前年比+4.2%増）と成長鈍化の公表となった。週明けの株価の動きは不明なものの、夜間PTSでは売りが先行している。今後のコラントッテの業績と株価はどうなるのか？
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肩こり解消ネックレスのコラントッテ、高収益つづくも成長鈍化！？（2023年5月13日投稿）
■基本情報（2023年11月10日時点）
- 株価：933円（10年来高値：2,005円）
- 時価総額：84億円
- 予想PER：12.3倍
- PBR：2.6倍
- 予想配当利回り：2.14%
- 自己資本比率：66.9%
- 会計基準：日本基準
- 株主数：4,315人（2022年9月30日時点）
■コラントッテの業績は？
コラントッテの2023年9月期の売上高は54.1億円（前年比+15.9%増）、営業利益10.2億円（前年比+6.9%増）の増収増益。コラントッテの売上総利益率は+63.9%（前年は+65.3%）、営業利益率は+18.8%（前年は+20.4%）と若干悪化している。
コラントッテの売上総利益は前年の30.4億円→34.5億円と+4.1億円、販管費は前年の20.9億円→24.4億円と+3.5億円の増加となり、差し引きで営業利益は+0.6億円の増加となり、前年の9.5億円→10.2億円となった。
■コラントッテの2024年9月期予想は？
コラントッテの2024年9が月期の業績予想は、売上高55億円（前年比+1.7%増）、営業利益10.6億円（前年比+4.2%増）の増収増益。しかしながら、伸び率が期待されるほど伸びていない。グロース銘柄であれば、売上高は前年比で２ケタの伸びはほしい。
決算短信の「今後の見通し」の箇所をみると、「利益面につきましては、2025年日本国際博覧会（大阪・関西万博）の出展に伴う先行費用等もあり」と関西万博の先行投資が発生する見通しだ。これについては、どこまで効果がでるのか不明であるものの、決算説明資料でもう少し丁寧に開示すべきではないだろうか。しかしながら、トップラインである売上高の伸びがそれほどないのが問題だ。
■コラントッテの事業状況は？
コラントッテの製品群別の売上高をみると、全体の90.5%はネックレス類となっている。サポーター、ウエアなどは非常に小さい。ネックレス類も全体の60.7%はTAOシリーズという高価格帯（17,600円～25,300円）となっている。
コラントッテはホールセール（卸売り）、リテール、イーコマースの大きく３つに販売が分かれている。もっとも売上比率が高いのはホールセールで全体の65.9%となっている。次に、イーコマースで全体の25.9%となっている。イーコマースは前年比+38.9%増と伸びており、コラントッテの成長の源泉だ。
イーコマースの売上推移をみると、2022年1Qは1.9億円、3Qは2.7億円、2023年1Qは3.3億円、3Qは3.7億円、4Qは4.0億円と順調に伸びている。しかしながら、2024年9月期の業績予想ではイーコマースの伸びは前年比+11.3%増にとどまっている。
■コラントッテの財務諸表は？
コラントッテの2023年9月末の財務諸表をみると、現預金17.9億円、棚卸在庫12億円、有形固定資産6.6億円となっている。負債をみると、有利子負債の約2.7億円を全額返済している。目立った負債はない。
コラントッテは2021年7月に東証マザーズに上場。上場時の公開価格は1,100円、初値1,385円となっており、現在は公開価格割れだ。上場に伴い、約8億円を市場から調達している。
コラントッテのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+9.6億円、投資CFは△83百万円、財務CFは有利子負債の返済（2.7億円）、配当支払い(1.4億円）などで△4.1億円となり、現預金は+4.6億円増加。現金残高は17.9億円となっている。
■コラントッテの株価推移は？
コラントッテの時価総額は約84億円。公開価格割れの水準だ。2024年9月期の１株あたり当期純利益（EPS）は73.2円。予想PERを15～20倍で試算すると、予想株価は1,100円～1,460円となり、割安であることがわかる。あとは、今回の業績予想が保守的なのか、実態を反映しているのか見えない点だ。
2023年9月期は１Qにホールセールで大口の販売があり、大きく業績が改善。いっぽう、2024年9月期の１Qは前年比で大きく悪化する可能性がある。業績のトレンドの見極めが重要だ。
以 上