AIバックオフィスカンパニーのマネーフォワード、堅調な成長つづく!

 「金融×IT」のフィンテック事業を幅広く展開しているマネーフォワード。現在は、債権、会計、支出関係、経営管理、人事労務と幅広いバックオフィス業務にサービスを展開しているマネーフォワード。従業員は2021年11月の1,259名から2025年5月末の2,868名と倍以上の増加となっている。今後のマネーフォワードの業績と株価の行方は?

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■基本情報(2025年8月8日時点)

  • 株価:6,241円(10年来高値:9,190円)
  • 時価総額:3,465億円
  • 予想PER:赤字
  • PBR:9.55倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:33.1%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:7,008人(2024年11月30日時点)
  • 事業価値:3,337億円

■マネーフォワードの業績は?

 マネーフォワードの2025年11月期の第二四半期の売上高は233億円(前年比+17.0%増)、営業利益△15.9億円(前年同期は△18.3億円)の増収赤字継続となった。マネーフォワードの売上総利益率は+67.3%(前年は+67.4%)と高い水準を維持している。

 マネーフォワードの売上総利益は前年の134億円→156億円と+22億円の増加、販管費は前年の152億円→172億円と+20億円の増加となり、営業利益には+2億円の△16億円となった。

■マネーフォワードの事業状況は?

 マネーフォワードはITを活用した会計システムからサービスを派生しており、現在は会計にかぎらず、債権管理、経営管理、人事労務など多面的にサービスを提供している。売上総利益の拡大を重要なKPIに置いており、赤字は継続している。

 マネーフォワードは過去のオンプレミス型の会計ソフトからクラウド型で提供していることが特徴だ。競合には、freeeや奉行クラウドなどたくさんのライバルがでている。現在は、クラウド契約、クラウド連結会計など派生サービスで領域を拡大している。会計などサブスクリプションモデルは一旦導入すると、なかなか解約しにくいのが特徴だ。

■マネーフォワードの株価は?

 いっぽう、サブスクリプションモデルの事業モデルのため、将来的に広告費などの削減により一気に利益がでる仕組みと言える。株価は2021年9月に最高値をつけてから、一時は3分の1くらいまで下落。現在は3分の2くらいまで戻っている。

 マネーフォワードの2021年11月度の業績は売上高156億円、経常損失14.3億円というレベル。高い成長性が株価に早く織り込まれた結果、株価の大きな成長が実現できた。

 マネーフォワードのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは2023年11月度を除き赤字。投資CFは大きな支出がつづき、財務CFで資金調達している。過去の増資をみると、2020年7月に海外公募増資で約50億円、2021年8月に転換社債で120億円を調達している。

 マネーフォワードの会計処理をみると、ソフトウェアおよびソフトウェア仮勘定に約150億円が計上されており、人件費の無形資産に計上すべき部分は投資CFに計上され、表面的な営業CFは良く見える構造だ。投資家にやさしく財務諸表を見せるなら、税務的には資産計上して、会計的には保守的に経費処理できないものだろうか。

■マネーフォワードの株価推移は?

 マネーフォワードの時価総額は約3,450億円。名刺管理サービスのSansanは時価総額2,400億円、キントーンのサイボウズは時価総額2,100億円、クラウド会計のfreeeは時価総額2,350億円となっている。経費決済サービスのラクスが時価総額4,250億円と一歩リードしている。

 ただ、ラクスは2025年3月期の決算で、売上高489億円、営業利益102億円、営業利益率20.8%という好調な数値を出している。なお、ラクスはソフトウェア勘定はたった1.2億円しか計上されていない。フリーもソフトウェア関連の勘定残高は28億円と小さい。

以 上

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