女性の目元製品を中心としたエッセンスシートなどを中心に中国向けECで業績をのばしているアクシージア。化粧品を中心とした事業展開しているEC企業だ。OEMで自社製品を販売している。全体の売上高の約90%は中国ECまたは中国サロン向けの販売となっている特殊な日本企業。中国ECではTモール、タオバオ(Taobao)、REDなどでいずれも売上高を伸ばしている。アクシージアの業績と株価の行方はどうなるのか?
■基本情報(2021年9月17日時点)
- 株価:1,104円(10年来高値:2,440円)
- 時価総額:285億円
- 予想PER:30.6倍
- PBR:3.95倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:87.0%
- 会計基準:日本基準
■アクシージアの業績は?
アクシージアの2021年7月期の売上高は57.9億円(前年比+34.9%増)、営業利益は13.8億円(前年比+28.5%増)の増収増益となった。アクシージアの売上総利益率は+70.4%(前年は+70.8%)、営業利益率は+23.9%(前年は+25.1%)と利益率が高い。
アクシージアはプレミアアンチエイジング、北の達人コーポレーション、ファーマフーズなどと同じようにOEM型の化粧品を販売するマーケティング会社。原価率は非常に低い。2021年7月期の広告宣伝費は7.9億円(前年は5.2億円)とマーケティング会社としてはそれほど高くない水準だ。商品自体が中国でヒットしていると考えてよいかもしれない。
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中国の市場規模は日本と比べモノにならないくらい大きいため、アクシージアの製品が大ヒットした場合は売上高は倍増するかもしれない期待は高い。
■アクシージアのビジネスモデルは?
アクシージアのビジネスモデルは、化粧品をOEMで製造して、中国のECで販売するというのが基本のビジネスモデルだ。そこから、中国向けのエステサロンなどにも横展開している。現状は中国向けの売上高が全体の約9割となっている。
主力のブランドは「AXXZIA(アクシージア)」でエッセンスシートがヒットしている。もう一つは「AGtheory(エイジ―セオリー)」でコラーゲンドリンク(AGドリンク)という美肌ドリンクがヒットしている。コラーゲンドリンクは月間1万個水準で売れている。
その他にも美容サプリメント、日焼け止め(サンスクリーン)などを育成中だ。また、サロン向けのプロフェッショナル分野として「The B」などを販売。上海子会社を設立して販売を強化している。
■東証マザーズ上場後の日本国内の戦略は?
アクシージアは東証マザーズに2021年2月に上場したタイミングで国内拡販の戦略を打ち出している。1つはエステサロン向けの新規開拓。対象は656店舗。2つ目は国内ECと自社サイトの強化、3つ目はGINZASIXでの国内旗艦店「AXXZIA GINZA SIX店」を2021年3月にオープン。広告宣伝の意味も大きい。
■2022年7月期の業績予想は?
アクシージアは今後期待できる企業のひとつ。2022年7月期の業績予想は売上高71.2億円(前年比+23.0%増)、営業利益14.7億円(前年比+6.1%増)の増収増益を予想している。ただし、売上高の伸びに対して、営業利益の伸びが小さく、かなり保守的な業績予想と思われる。売上総利益率が+70%ほどあるため、自然体で考えると営業利益は20億円ほどになってもおかしくない。
アクシージアは中国・日本で積極的な広告宣伝を実施する予定であり、先行投資として営業利益率+20%前後の営業利益15億円前後で着地させる可能性もある。
■アクシージアの株価の行方は?
アクシージアの時価総額は約290億円。上場直後は時価総額500億円を超えていたものの、すでに半値以下になってしまった。事業規模としては北の達人コーポレーションが売上高93億円、営業利益20億円と同じような規模で参考になる。北の達人コーポレーションの時価総額は690億円前後。北の達人コーポレーションは日本のECで成功している健康食品などのマーケティング会社。参考になる企業ではないだろうか。
アクシージアは北の達人コーポレーションよりも成長力があり、創業10年の新しい会社。中国で更なる大ヒットがあれば、事業規模は1年で1.5倍~2倍くらいに伸びてもおかしくはない。ただし、株価は下落トレンドであり、月足で陽線になるまで様子見が無難かもしれない。もしかすると、ここから株価が半値くらいまで下がる可能性もゼロではないからだ。ただし、かなり期待できる企業のひとつであることは間違いない。
以 上