卵の殻の内側にある薄い膜(0.07mm)である卵殻膜を活用した天然美容成分を活用した美容液や化粧水など「CELLULA」「TO-II」「Ode」シリーズを定期便を中心に販売しているアルマード。Amazon（アマゾン）でもアルマードの製品を購入することは可能だ。2021年6月24日に上場時、現在は公募価格880円を割っている株価水準。従業員数は45名。アルマードの業績と株価の行方は？
■基本情報(2021年10月1日時点）
- 株価：753円(10年来高値：1,214円）
- 時価総額：78億円
- 予想PER：13.6倍
- PBR：3.22倍
- 予想配当利回り：0%
- 自己資本比率：82.6%
- 会計基準：日本基準
■アルマードの業績は？
アルマードの2022年3月期の第一四半期の売上高は12.2億円(前年同期比+2.2%増）、営業利益3百万円(前年同期は△29百万円の赤字）と増収黒字化となった。アルマードの売上総利益率は+63.5%（前年同期は+64.6%）となっている。
アルマードの2022年3月期の業績予想は売上高48.8億円(前年比+7.4%増）、営業利益8.2億円(前年比+55.7%増）で、株式市場では本当に営業利益を達成できるのか不安感が高まり、株価はなかなか上昇できない状況だ。やはり心配になるのは、売上高がほとんど伸びていない点だ。
■アルマードのビジネスモデルは？
アルマードは卵殻膜という天然原料を活用した美容液や化粧水、マスカラなどの販売をおこなっている。販売ルートとしては、自社通販サイトによる直販、テレビ通販、外販など。いまいち、直販と外販の違いについて詳しい説明がないため、その違いがわからない。決算説明資料を見るかぎり、おそらく直販は定期会員販売を指していると思われる。
アルマードは「CELLULA」「TO-II」「Ode」シリーズを中心に定期会員販売している。アルマードの公表している直販売上＝定期会員売上である場合、ストック売上高比率は約40%と思われる。
アルマードの価格帯をみると、4,000円～13,000円くらいになっている。ターゲットとしては30代～50代の女性というところか。
■アルマードの定期会員数の推移は？
アルマードの公表している定期会員数は現時点で約4.8万人。アルマードの2022年3月期の１Qの定期販売の売上高は4.9億円、ひと月換算で約1.6億円。1.6億円を4.8万円で割ると、１人あたり平均単価は約3,400円。アルマードの価格帯4,000円～13,000円と一致しない。
アルマードの定期会員数の推移をみると、2020年6月頃に5.2万人の会員数となってから会員数が激減している。2020年12月頃には3.5万人まで減少し、現在は4.8万人まで回復。定期会員販売というと、確実にストック売上が上昇するイメージであるものの、アルマードの定期会員数は変動が大きいのが特徴だ。
■アルマードの利益構造と業績試算！
アルマードの利益構造と業績見通し、将来的な業績予想を試算してみた。決算短信、有価証券報告書、決算説明資料より算出。化粧品などのネット通販企業の広告宣伝費は売上高の約25%くらいで、アルマードの実績をみても同等だ。
アルマードの最大の課題は19年度の売上高58億円に対して、20年度45億円、21年度は48.8億円の業績予想と売上規模の成長性がないこと。いかに売上高を浮上させるかがアルマードの将来で必要なことだ。
■アルマードの株価推移は？
アルマードの時価総額は約80億円。アルマードの業績予想は売上高49億円、営業利益8.2億円となっており、この業績予想から考えると割安感はある。しかしながら、本当に業績を達成できるか、足元の業績をみるかぎり不安が大きい。
定期購入の炭酸ベース肌活性エイジングケアブランド「HADA NATURE（肌ナチュール）」等を販売しているWaqoo（ワク―）は年間売上高46.8億円、営業利益1.4億円の業績予想。Waqooの現在の時価総額は約36億円。かりにアルマードが業績未達で営業利益が１億円ほどしかなかった場合、いまの株価が半値になり、時価総額が40億円前後になる可能性も否定できない。
「肌ナチュール炭酸クレンジング」のWaqoo(ワクー）、定期購入で売上拡大！(2021年9月26日投稿）
アルマードについては、四半期ごとにしっかり業績の進捗を見ていく必要がありそうだ。卵殻膜の技術と言えば、ファーマフーズの「ニューモ」などでも使われている可能性があり、アルマードがどこまで技術力で先陣を切れるか注意が必要だ。
ニューモ育毛剤好調のファーマフーズ、9カ月間の広告宣伝費は190億円に！(2021年6月5日投稿）
以 上