「マッハバイト」「転職会議」などの人材関係のビジネスを展開しているリブセンス。新規事業としてはマッチングサービス「knew(ニュー)」やオンライン面接ツール「batonn」なども立上げ中だ。ついに四半期ベースでの黒字化となり、業績回復が期待できる雰囲気になってきた。
「マッハバイト」「転職会議」のリブセンス、赤字幅は大きく縮小!(2022年7月10日投稿)
事業規模縮小中のリブセンス、マッチングアプリ事業に参入!(2021年9月24日投稿)
■基本情報(2022年8月12日時点)
- 株価:163円(10年来高値:3,255円)
- 時価総額:46億円
- 予想PER:ー
- PBR:1.58倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:75.4%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:5,639人
■リブセンスの業績は?
リブセンスの2022年12月期の第二四半期の売上高は22.4億円(前年同期比+14.9%増)、営業利益44百万円(前年同期は△6.7億円)の増収黒字転換となった。リブセンスの売上総利益率は+82.9%(前年同期は+86.0%)と高いものの、販管費が大きく営業損益は赤字になっていた。
この販売管理費について、前年同期は23.4億円だったものを、18.1億円と5.3億円の削減を実施することで、なんとか黒字にもっていった。もちろん、売上高の回復もプラスに貢献しており、売上総利益は16.7億円→18.5億円と+1.8億円増加しているものの、販管費の削減効果のほうが大きい。
■リブセンスの危機は脱したか?
もともと、リブセンスは自己資本比率が高く、現預金は約30億円もっており、有利子負債はゼロと財務状況は良好だった。主力の「マッハバイト」の採用ニーズが回復してきており、成果報酬型であるリブセンスの業績が回復に向かっている。
四半期ベースで見ると、前回の第一四半期は売上高10.3億円、営業損失△63百万円、今回の第二四半期は売上高12.1億円、営業利益+1.1億円と回復している。従業員数は1年前の373名→255名に100名以上を削減。22年3月末の前回四半期末の262名にくらべても、255名と7名減と徹底的な固定費削減を実施している。
ただし、やはり柱となる事業が足りず、マッチングサービス「knew」やオンライン面接ツール「batonn」の成長が期待されるものの、マッチングサービスは競合が多いレッドオーシャンであることは間違いない。IT企業として、営業利益率+10%超は目指したいところであるが、事業の柱が見えないのが悩み。
■一息つけそうな株価の動き!
2022年8月12日に決算発表し、業績予想の修正(上方修正)もあわせて公表。PTS(私設取引)ではストップ高となる株価をつけており、8月15日(月)から株価の反発が期待できそうだ。
ただし、業績修正後の予想は売上高48億円(前年比+14.8%増)、営業利益2.2億円、営業利益率+4.6%とインパクトにかける数値。赤字→黒字転換とうれしい状況ではあるものの、時価総額100億円~200億円の反発を目指していくと考えると、年間営業利益は10億円前後はほしい。前年比の売上増はあくまで居酒屋などの営業自粛要請の可能性が減ったことによるバイト採用の復活が大きく寄与している。本当の勝負は翌年からかもしれない。
以 上