「塾ナビ」のイトクロ、利益浮上も売上高の伸びは停滞したまま、今後の行方は?

  塾検索サイト「塾ナビ」を展開しているイトクロ。営業利益は黒字で浮上しているものの、リスティング広告などの高騰が落ち着いていることが販管費減の要因となり、営業黒字に浮上している。これまでの売上推移をみると、それほど売上高は変わっておらず状況の大きな変化はない。今後の業績と株価の行方はどうなるのか?

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■基本情報(2023年9月8日時点)

  • 株価:379円(10年来高値:3,825円)
  • 時価総額:86億円
  • 予想PER:34.1倍
  • PBR:0.87倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:90.7%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:3,542人(2022年10月31日時点)

■イトクロの業績は?

 イトクロの2023年10月期の第三四半期の売上高は32.6億円(前年比+0.3%増)、営業利益5.5億円(前年同期は+92百万円)と増収増益。イトクロの売上総利益率は+89.0%(前年は+89.6%)、営業利益率は+17.0%(前年は+2.8%)と営業利益率は大きく改善。

 イトクロの売上総利益は前年の29.1億円→29.0億円と△0.1億円の減少、販管費は28.1億円→23.5億円と△4.6億円の減少となり、差し引きで営業利益は0.9億円→5.5億円と+4.5億円の増益となった。業績改善は販管費の抑制がすべてと言ってよいだろう。

■事業状況が変わっていないイトクロ

 イトクロの営業利益は大きく改善しているものの、リスティング広告の単価が下落したことで販管費が大きく下がったことが増益の要因。言い換えると、広告を大きく上ってもトップラインである売上高が変わっていないことが問題だ。ほぼ成長性が止まってしまった。

■イトクロの株価推移は?

 イトクロの時価総額は約86億円。一時、時価総額は50億円くらいまで減少したものの、自然に反発となった。ただ、業績回復の要因がリスティング広告の単価の下落であり、成長性がなく、収益性の改善が難しいとなると株価は横ばいが続くのではないだろうか。

 イトクロの業績が久しぶりに回復しており、何か状況が変わったことを期待したものの、実態としては大きな変更は起こっていない。IT企業であるものの、従業員の平均年収も505万円(平均年齢:32.5歳)とそれほど高くない。何か新しいことが起こる気配は、残念ながら、いまのところない。ただ、週足で上昇トレンドのように見えるので、株価は500~600円くらいまで一時的に反発する可能性はあるかもしれない。

(画像1)イトクロの株価推移

以 上

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