「北欧、暮らしの道具店」のクラシコム、新製品好調も増収減益予想!

 ECサイト「北欧、暮らしの道具店」を展開するクラシコム。エイジレスや「卒業のないブランド」をかかげ、ユニクロや無印良品などのような自社ブランドの確立をしながら顧客の信頼を高める販売戦略をおこなっている。最近ではデンマーク発祥のフライングタイガーコペンハーゲンという雑貨の競合が出てきており、北欧関係での競争が激しくなりそうだ。

「foufou」買収で規模拡大のクラシコム、収益性と成長性が安定している!(2024年4月29日投稿)

世界観を重視する「北欧、暮らしの道具店」展開のクラシコム、エイジレスブランドを目指す!(2023年4月1日投稿)

■基本情報(2024年9月13日時点)

  • 株価:1,331円(10年来高値:1,962円)
  • 時価総額:98億円
  • 予想PER:13.0倍
  • PBR:2.11倍
  • 予想配当利回り:0.75%
  • 自己資本比率:84.5%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:2,680人(2023年7月31日時点)
  • 事業価値:58億円

■クラシコムの業績は?

 クラシコムの2024年7月期の売上高は70.1億円(前年比+15.7%増)、営業利益10.8億円(前年比+12.2%増)の増収増益。クラシコムの売上総利益率+43.8%(前年は+43.4%)、営業利益率は+16.4%(前年は+16.0%)となっている。

 クラシコムの売上総利益は前年の26.3億円→30.7億円と+4.4億円の増加、販管費は前年の16.6億円→19.9億円と+3.3億円の増加となり、営業利益は+1.1億円の増加となった。

■クラシコムの事業状況は?

 クラシコムの事業は堅調であるものの、グロース銘柄としてはもう少し成長性がほしい。「北欧、暮らしの道具店」はネットショップであり、収益性が高いのが特徴。累積会員数は68万人まで増加したものの、年間購入者数は20万前後で停滞している。言い換えると、値上げ分の売上高が上がっていると言えるだろう。

 1人あたりの年間売上高は3.2万円(前年は3.0万円)と過去最高を更新している。心配なのは新規会員数の獲得が増えていないことだ。「無印良品」のように組織的な売れる仕組みを築くことができるかがポイントになる。

■増収減益の業績予想!?

 決算発表でビックリしたのは、増収減益の通期予想を発表したことだ。投資拡大として約5億円を予定しており、今期の利益は減少する、というストーリーだ。グロース企業には成長フェーズが必要であるものの、唐突感のある発表であり、株主にはなかなか受け入れられないのではないだろうか。

 2027年7月期に売上高100億円、EBITDAマージン+15.0%を目指している。しかしながら、現状のEBITDAマージンが+16.4%であるので、若干控えめな発表に思える。クラシコム自身で現状の課題を認識しており、新規購入者の獲得が鈍化していることを問題視している。今後3年間で30億円の広告宣伝費を投入計画であり、当面は利益が停滞するかもしれない。

■クラシコムの株価推移は?

 クラシコムの時価総額は98億円。これから成長を期待していた株主にとっては増収減益は残念な発表だ。業績面でポジティブサプライズを期待するしかないか。クラシコムは2024年9月から初のテレビCMを関西エリア限定で放送開始。最近、テレビを見る人が少ない中、テレビCMの効果は本当にでるのか?芸能人など活用したPR活動のほうがよいのではないだろうか。

以 上

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