25期連続の最高売上高の達成のオプティム、株価の低迷はつづく!

 オンライン診療、スマート農業などAIやIoTなどを活用した最新技術をビジネスに織り込んで展開しているオプティム(OPTiM)。創業以来25期連続の売上高の上昇が続くものの、成長性は大きく鈍化し2025年3月期は前年比+3.3%増にとどまった。今後の株価と業績の行方は?

AI・IoT・ロボティクスのオプティム、IT技術で新しいビジネスを創り出す企業!

AI・IoT・Roboticsと未来的な事業を展開するオプティム(3694)、利益も拡大!

■基本情報(2025年8月1日時点)

  • 株価:536円(10年来高値:3,840円)
  • 時価総額:296億円
  • 予想PER:29.5倍
  • PBR:3.5倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:76.0%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:11,629人(2025年3月31日時点)
  • 事業価値:280億円

■オプティムの業績は?

 オプティムの2025年3月期の売上高は105.8億円(前年比+3.3%増)、営業利益19.5億円(前年比+0.7%増)の増収増益。しかしながら、情報通信、IT系の業種としては成長性が物足りない。オプティムの売上総利益率は+49.4%(前年は+49.3%)、営業利益率は+18.5%(前年は+18.9%)と高い水準となっている。

 オプティムの売上総利益は前年の50.5億円→52.2億円と+1.7億円の増加、販管費は前年の31.1億円→32.7億円と+1.6億円の増加となり、営業利益は+0.1億円の増加にとどまった。オプティムのキャッシュフロー計算書をみると、減価償却費が前年の8.3億円→11.1億円と+2.8億円の増加となっており、コスト増の大きな要因だ。

■オプティムの事業内容は?

 オプティムは、モバイルマネジメント、IoT関係、リモートマネージ面とのIT、AI、IoT関係のビジネス領域を展開している。具体的には、モバイルマネジメントとしてOPTiM Bizというスマートフォンやタブレットの管理サービスを展開していて18万社以上で導入されている。平均解約率は0.5%前後となっている。モバイルマネジメントは、キーエンス、京セラ、シャープ、ゼブラなどと協力体制を構築している。

 X-TechというIoT関係のビジネスは、ドローンによる農業での農薬散布のサービスで国内シェアNo.1となっている。JAなどでも使用されている。農業の生産者から農作業依頼をAIが受けて、ドローンで農薬散布される仕組みだ。また、デジタルヘルスとして、病院内の文章作成のAIモデルの導入もしている。マーケティングDXとしては自治体のスーパーアプリ(公式アプリ)を展開している。

■オプティムの課題は?

 オプティムの課題は、何が成長していて、何が成長していないのか開示されていないこと。2022年度の決算説明資料をみると、売上高の内訳が開示されていたものの、現在は開示されていない。そのときの売上高内訳をみると、全体の83%の売上高はモバイルマネジメントの売上高となっている。ストック型収益で安定した収益を生み出しているものの、他に柱となる事業がないのではないか?という疑問が残る。

 農業用のドローンなど技術は魅力的であるものの、売上高は非常に小さいのではないかという疑問がある。オプティムは特許など技術面の投資を積極的にしているものの、事業化に持っていくまでのノウハウがそれほど高くないのではないか。

■オプティムの株価推移は?

 オプティムの時価総額は約300億円。一時は2,000億円ほどの時価総額になっていたことを考えると、株価は暴落したと言えるだろう。期待値ほど事業の成長がなく、何をしている企業か見えないというのが市場の判断だろう。何か柱となる事業が前年比10%以上で成長しているなら期待あるものの、その成長性がないということはグロース銘柄ではないと言える。

以 上

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