成長性高いプロジェクトカンパニー、DX特需を取り込み高い成長率維持!

 主に顧客のデジタルトランスフォーメーションをサポートしているコンサルティング企業のプロジェクトカンパニー。従業員数は64名。2016年1月設立の新しい企業。スマホアプリのUI/UX(ユーザー操作性)の改善支援など特徴がある。現在は主にマーケティング支援を中心としているものの、一気通貫でデータ分析、SEOなど含めて領域拡大していくつもりだ。プロジェクトカンパニーの業績と株価はどうなっているのか?

■基本情報(2022年5月6日時点)

  • 株価:3,560円(10年来高値:7,270円)
  • 時価総額:200億円
  • 予想PER:42.6倍
  • PBR:9.61倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:75.0%
  • 会計基準:日本基準

■プロジェクトカンパニーの業績は?

 プロジェクトカンパニーの2021年12月期の売上高は21.4億円(前年比+93.6%増)、営業利益5.1億円(前年比+190%増)の大幅な増収増益。プロジェクトカンパニーの売上総利益率は+47.1%(前年は+48.0%)、営業利益率は+23.8%(前年は+15.9%)。

 事業規模が拡大すると、粗利(売上総利益)が増えて、販管費の負担比率が下がり、営業利益率が改善すると思われる。ほかのコンサルティング企業と同じであるが、設備投資がほぼ不要なため、利益のほとんどが現預金にたまっていくのが特徴だ。プロジェクトカンパニーの現預金は22.5億円と財務状況は極めて健全。

■プロジェクトカンパニーの事業内容は?

 プロジェクトカンパニーの売上高は、ビジネス支援が約6割、マーケティング支援が約4割となっている。「デジタルトランスフォーメーションというが、何をしたらよいかわからない」という企業から丸投げで課題を受け、課題の特定、計画策定、PDCAサイクルの構築まで実行するのが特徴で、ほかのコンサルティング企業よりも領域が広いというのが売りだ。

 マーケティング支援では、SNS運用支援、SEO対策支援・データ分析などをおこなっている。営業費用(売上原価)の中身をみると、外注費が41.7%占めており、自社で解決できない課題については、パートナー企業などに外注しているのが特徴だ。ある意味、2016年設立の新しい企業でリソースが限られるため、得意分野の外注にアウトソーシングするのは正しい選択だ。

■いまいち理解できないストック売上比率?

 プロジェクトカンパニーは業績好調の背景として「ストック型ビジネスモデル」と決算説明資料で解説している。ストック売上比率は80%と明記。ただし、定義をみると、「6カ月以上の継続受注を獲得した売上からスポット的なものを控除したもの」としており、リカーリングビジネス的なものと捉えたほうが良い。

 コンサルティング内容が継続的に一定期間支援するため、ストック売上高というよりも期間でチャージされる性質であるだけ。

 プロジェクトカンパニーの平均パートナー人数は35.1人、従業員1名あたりの売上高は平均41.1百万円(前年は33.0百万円)と改善傾向だ。顧客企業数は117社で、じつはここ数年、110社前後で推移している。顧客数は増えていないものの、1社あたりの売上高が増えていることが増収増益の要因だ。

■プロジェクトカンパニーの株価推移は?

 プロジェクトカンパニーの時価総額は約200億円。高い成長率が株価に織り込まれており、株価指標的には割高だ。気になるのは、クライアント数(顧客数)が110社前後で停滞していること。

 コンサルティング企業は、M&A仲介、会計・財務支援、法務支援など様々な種類があるものの、プロジェクトカンパニーは経営コンサルティングがメイン。平均年齢27歳の若い企業であり、継続的に事業規模を拡大できるか、まだ判断できない。優秀なコンサルタントは稼ぐものの、そのようなコンサルタントは大手との取り合いになる。

 なお、プロジェクトカンパニーの平均年収は554万円。ベイカレント・コンサルティングなど大手は平均年収1,000万円を超えており、プロジェクトカンパニーで育った優秀なコンサルタントは他社に行ってしまうリスクがある。プロジェクトカンパニーしか持っていない差別化要因があるか、もう少し見極める必要がありそうだ。

中期経営計画(21年~25年)発表のベイカレント・コンサルティング、DX需要で業績は絶好調!(2021年5月9日投稿)

(画像1)プロジェクトカンパニーの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする