独SAP社のS4/HANAの導入支援やセールスフォースの導入など企業のERPやCRMなどのシステム導入をサポートしているテクノスジャパン。企業のDX投資が旺盛ななか、テクノスジャパンの業績は好調だ。ただ、IR開示はそれほど積極的ではなく、四半期での決算説明資料の作成はない。テクノスジャパンの業績と株価はどうなるのか?
■基本情報(2023年8月18日時点)
- 株価:664円(10年来高値:1,750円)
- 時価総額:135億円
- 予想PER:13.3倍
- PBR:1.95倍
- 予想配当利回り:2.4%
- 自己資本比率:67.8%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:9,478人(2023年3月31日時点)
■テクノスジャパンの業績は?
テクノスジャパンの2024年3月期の第一四半期の売上高は32.6億円(前年比+32.5%増)、営業利益4.6億円(前年比+68.1%増)の増収増益。テクノスジャパンの売上総利益率は+32.5%(前年は+29.3%)、営業利益率は+14.1%(前年は+11.2%)と営業利益率は2ケタを突破。
テクノスジャパンの売上総利益は前年の7.2億円→10.6億円と+3.4億円の増加、販管費は前年の4.5億円→6.0億円と+1.5億円の増加となり、差し引きで営業利益は+1.9億円の増益となった。
■テクノスジャパンの事業内容は?
テクノスジャパンは大手ソフトウェアメーカーのERPパッケージやCRMパッケージを顧客にマッチした形で立ち上げるSIer(システムインテグレーター)だ。現在は独SAP社のS/4 HANAやセールスフォースの導入などに強い。
同じような事業を実施しているテラスカイとは資本業務提携を実施し、相互に1億円を目途に株を持ち合うことを合意している。テクノスジャパンの事業モデルは、ストック売上高とフロー売上高の両方があることが強み。ただ、セグメント別の損益などは開示されておらず、どこで稼いでいるのか不明な点も少なくない。
クラウド導入支援のテラスカイ(3915)、高成長で株価の行方は?(2020年5月30日投稿)
■テクノスジャパンの目標は?
テクノスジャパンは2025年3月期の業績計画などを発表している。2025年3月期に売上高143億円、営業利益15.9億円を計画している。2026年3月期には売上高160億円、営業利益17.5億円を計画している。営業利益率が10%を超えているのがプラス要素。
テクノスジャパンの従業員数は単体416人、連結で733人となっている。子会社には、沖縄テクノス、プレインセラーズ・ドットコム、また米国、カナダ、インドにも子会社がある。テクノスジャパンは2018年6月に米国のクラウドインテグレーターであるLirik社の95%の株式を取得。2020年7月に関西のインテグレーターであるアック社の全株式を取得し、吸収合併している。
■テクノスジャパンの財務状況は?
テクノスジャパンの2023年6月30日時点の財務諸表をみると、現預金は25.7億円、のれん関係が7.1億円、投資有価証券は23.4億円となっている。のれん関連はブレインセラーズ・ドットコムの関係で計上している。負債は、有利子負債が4.5億円、繰延税金負債が4.7億円となっている。財務状況はきわめて健全だ。
■テクノスジャパンの株価推移は?
テクノスジャパンの時価総額は約135億円。株価指標的に割安だ。事業のドメイン(領域)の需要は今後も増えることがあっても減ることはない。デジタルトランスフォーメーションの推進など成長は続きそうだ。気になるのは、株主数が1万人ちかくいること。株価があがるには、より少ない株主で段階的に増えていくほうが上がりやすい。
以 上