「ドラゴンクエストタクト」のAiming、割安感が出てきた?

 「剣と魔法のログレス いにしえの女神」や「ドラゴンクエストタクト」などのタイトルを展開中のスマートフォンゲーム会社のAiming。業績は堅調であるものの、ゲーム関連銘柄の株価はさえず、Aimingも同じ流れとなっている。株価指標的には予想PERは10%前後まで株価は下落している。どこかでゲーム関連銘柄の株価上昇があってもおかしくないのではないか?

「ドラゴンクエストタクト」開発のAiming、グローバル版の期待も高まる!(2020年12月26日投稿)

■基本情報(2021年12月24日時点)

  • 株価:284円(10年来高値:2,283円)
  • 時価総額:113億円
  • 予想PER:10.4倍
  • PBR:1.86倍
  • 予想配当利回り:1.23%
  • 自己資本比率:87.8%
  • 会計基準:日本基準

■Aimingの業績は?

 Aimingの2021年12月期の第三四半期の売上高は91.9億円(前年同期比+12.2%増)、営業利益12.6億円(前年同期とほぼ同じ)と売上高は伸びているものの営業利益は伸びない結果となった。Aimingの売上総利益率は+62.5%(前年同期は+66.6%)、営業利益率は+13.7%(前年同期は+24.9%)と営業利益率が大きく悪化した。

 販管費が約4億円増加しており、広告宣伝費が約2.3億円、プラットフォーム手数料が+1.6億円の増加となった。プラットフォーム手数料は売上高が上昇することに伴い、増加するのは仕方がないものの、本来は売上総利益でカバーすべきもの。売上高の増加はおそらく「ドラゴンクエストタクト」によるものだと思われ、売上高の増加とロイヤリティ負担が増加し、結果として利益の大幅な上昇につながらなかったという結果だ。

■Aimingの事業状況は?

 Aimingは2018年は従業員851名だったものの、段階的に従業員が減少し、2020年2Qには408名の半数以下まで減少。現在は479名となっている。旧体制の企業と異なり、従業員の雇用に柔軟に対応できる体制であることは評価できるものの、雇用の流動性が少し気になる。技術力のある有能な人員が容易に退職してしまう雰囲気ではないだろうか。

 Aimingは自社サービス、制作請負、サービス運営請負の3つの領域で事業をおこなっている。いかに自社サービスでヒットタイトルを打ち出せるかが成長の大きな分岐点になる。2022年~2023年に自社サービスとして3~4タイトルを準備中だ。Aimingはオンラインゲームを主力とし、ゲーム内課金で収入を得るモデル。いかにアクティブユーザ数を増やし、ゲーム利用時間を長くして、いかに課金してもらうかが重要なマネタイズのポイントになる。

■Aimingの株価推移は?

 Aimingの時価総額は約110億円。ゲーム関連銘柄はアカツキ、ガンホーなど収益性の高い銘柄も株価の低迷がつづいている。Aimingもその流れにあらがうことができない状況だ。いまは半導体、ITサービス、海運など特定の銘柄を中心に株価が高騰しており、ゲーム銘柄に機関投資家からの注目は低い。任天堂など一部の銘柄だけが高い評価を得ている状況だ。

モバイルゲーム運営のアカツキ、ゲーム事業の業績が悪化傾向つづく!(2021年8月1日投稿)

 スマートフォンゲームの時代になり、アップルストアやグーグルプレイのプラットフォームがゲーム内課金の20%を徴収するビジネスモデルとなり、ゲーム会社が驚異的な利益を出すことが難しくなった。そのことも関係しているかもしれない。

(画像1)Aimingの株価推移

以 上

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