「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」や「キャプテン翼~たたかえドリームチーム~」などのモバイルゲームを展開しているKLab(クラブ)。2019年度は売上高が停滞していたものの、2020年は売上が回復傾向になった。海外売上高比率が35%となり、モバイルゲームの世界展開も好調だ。KLabの業績と株価の行方はどうなるのか?
■基本情報(2021年1月8日時点)
- 株価:911円
- 時価総額:349億円
- 予想PER:38.8倍
- PBR:2.11倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:65.8%
- 会計基準:日本基準
■KLabの業績は?
KLabの2020年12月期の第三四半期の売上高は263億円(前年同期比+17.8%増)、営業利益は22.5億円(前年同期比+31.7%増)と大幅な増収増益となった。KLabの売上総利益率は26.9%と前四半期の21.0%から+5.9ポイントの大きな改善となった。
■KLabのコスト構造、使用料(ロイヤリティ)負担が重い!
KLabの売上原価の内訳を見ると、使用料(支払手数料)の負担が重い。モバイルゲームの場合は、Apple(アップル)やGoogleなどにアプリ上の課金額の一部を支払う必要があり、それが大きな負担となっている。もうひとつ、他社IP(Intellectual property、知的財産権)を使用したゲームタイトルの場合、ゲームタイトルの著作権など権利をもつ集英社、テレビ東京などにロイヤリティを支払っていると思われる。
■KLabの主なゲームタイトルは?
KLabは「ラブライブ!シリーズ」を展開したり、「BLEACH Brave Souls(ブレソル)」、「キャプテン翼~たたかえドリームチーム~」を主に展開している。アプリの売上高を推測できる「game-i」というサイトをみると、上記の3つのタイトルに加えて、バンダイナムコと共同運営の「テイルズ オブ クレストリア」、「うたのプリンスさまっ」などが業績を引っ張っていることがわかる。
同業他社のgumiは「FFBE幻影戦争」、Aimingは「ドラゴンクエストタクト」、アカツキは「ドラゴンボール ドッカンバトル」など大きなヒット作が業績を引っ張っているものの、KLabは小さなヒットで売上高を積み上げている構造だ。どこかで大ヒットが出てくることが期待される。また、KLabはゲームタイトルの世界展開が比較的うまくいっているのが特徴で、日本語版だけでなくグローバル版や中国語版でも売上高を稼げている構造が特徴的だ。
スマホゲームのgumi(3903)、「ファイナルファンタジー」シリーズなど好調!
「ドラゴンクエストタクト」開発のAiming、グローバル版の期待も高まる!
モバイルゲームのAkatsuki(アカツキ)、事業を支えるヒット作品がほしい!
■KLabの株価の行方は?
KLabの時価総額は約350億円。株式市場が最高値を更新するなか、モバイルゲーム銘柄はそれほど相場の波に乗れていない。KLabだけでなく、ガンホー、コロプラ、gumi、Aiming、アカツキなども同様で、業績自体は悪くないものの株価は過去の高値圏から大きく下側で推移している。ゲーム銘柄は新型コロナウイルスの影響によるマイナス要因はないものの、モバイルゲーム銘柄の株価はさえない。
いっぽう、任天堂、スクウェア・エニックス、バンダイナムコエンターテインメント、カプコンなどの大型ゲーム銘柄の株価は好調で、どこも過去最高値圏にとどまっている。KLabの株価に割高感はなく、モバイルゲーム銘柄のテーマが活況になるまで待ちの姿勢が妥当かもしれない。
以 上