オンラインビジネス英語「Bizmates」やオンラインビジネス日本語「Zipan」などのランゲージソリューション事業や人材ビジネスを展開しているビズメイツ。2012年7月設立、従業員数は156人の会社。最近では英語コーチングサービスのプログリットも上場し、語学サービスの新しい事業会社が目立つ。ビズメイツの業績と株価の行方は?
■基本情報(2023年7月7日時点)
- 株価:2,621円(10年来高値:5,750円)
- 時価総額:41億円
- 予想PER:17.6倍
- PBR:3.11倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:70.7%
- 会計基準:日本基準
■ビズメイツの業績は?
ビズメイツの2023年12月期の第一四半期の売上高は7.4億円(前年同期比+12.4%増)、営業利益66百万円(前年同期比△23.3%減)の増収減益。ビズメイツの売上総利益率は+74.8%、営業利益率は+9.0%となっており、中小企業という位置づけでは悪くない数値だ。
しかしながら、上場企業としては、成長性や収益性を過去からの推移で比較する必要があり、まだビズメイツの実力が見えない状況だ。言い換えると、このような、よくわからない状況では投資できないのが実情だ。
■ビズメイツの事業内容は?
ビズメイツは、ランゲージソリューション事業とタレントソリューション事業の2つを行っている。売上高の95%はランゲージソリューション事業という語学サービス事業だ。
ビズメイツの主力の「Bizmates」は、オンライン英会話ではなく、オンライン英語での5つの能力(語学、個性、多様性、リーダーシップ、コミュニケーション)を伸ばすことをターゲットにしている。通常のオンライン英会話学校よりも1.8倍の料金設定となっている。スタンダードプランとして、毎日1レッスン(25分)で月額13,200円(税込)となっている。レッスン録画などあるのが特徴的だ。
■英語コーチングも!
最近は、「Bizmates Coaching」というコーチングサービスも展開しており、3か月で9.9万円となっている。競合他社のプログリットは3か月で49.5万円であり、価格差は大きい。
英語コーチングサービスのプログリット(PROGRIT)、法人研修市場の拡大がカギか?(2022年10月22日投稿)
ビズメイツの鈴木社長は2009年10月~創業(2012年7月)までベルリッツジャパンに勤務しており、そこでビジネスアイデアを思いつき、実現化に動いたと思われる。
■HR領域のタレントソリューション事業とは?
ビズメイツはHR領域の事業もスタートしている。「G Talent」という外国人ITエンジニアの日本国内での転職サポート(人材紹介)と「Git Tap」というグローバルIT人材の採用マッチングサイトを運営している。まだ、事業規模は小さく、年間売上高は2億円というレベルであるものの、年間で50~100人くらいの仲介事業規模ではないだろうか。
■ビズメイツの財務状況は?
ビズメイツの2023年3月末の財務諸表をみると、現預金は14.2億円、ソフトウェアなどの無形資産1.6億円、敷金など82百万円となっている。負債をみると、有利子負債が約80百万円、契約負債(前受金)が1.6億円となっている。上場時に約6億円ほど資金調達しているものの、上場までは資本金5百万円で事業運営しており、堅実な事業をしてきたことがわかる。
上場時の株主一覧をみても、ベンチャーキャピタルなどの投資ファンドは入っておらず、資金需要はそれほどないビジネスモデルとなっている。
■ビズメイツの株価推移は?
ビズメイツの時価総額は約40億円。上場してから株価下落がつづいている。表面的にビズメイツをみると、HR領域はどうなるか見通せず、語学サービスも競争が激しい領域で、高い成長を実現できるか疑問が残る。
しかしながら、上場までの歩みをみると、資金面含めて自力で上場までこじつけており、そのタフさは敬服する。もしかすると、HR領域で広がりがあれば、将来的には時価総額100~300億円くらいまで育つのではと期待感はある。競合他社のレアジョブの時価総額は約100億円で、過去は時価総額300億円くらいまで上場した実績があり期待感は残る。
レアジョブの業績は売上高58億円、営業利益2.3億円で時価総額100億円であり、ビズメイツのほうが割安感が大きい。ビズメイツも英語講師はフィリピンに在住しており、円安の影響で業績に大きなマイナス要素となっていると思われる。円高に転じると、業績の上振れ要素がでてくるのではないだろうか。
英会話テスト「PROGOS」のレアジョブ、売上伸びるも利益は追いつかず!(2023年2月25日投稿)
以 上