モバイル端末管理「CLOMO」のアイキューブドシステムズ、順調に成長つづく!

 法人向けモバイル端末管理サービス「CLOMO(クロモ)」を中心にビジネス展開しているアイキューブドシステムズ。ビジネスシーンでモバイル端末を使用するケースが拡大しており、紛失・盗難などに起因するリスクを低減するのが「CLOMO」の効果。サブスクリプション型のビジネスで堅調に成長をつづけているものの、成長率は1ケタに鈍化している。

モバイル端末管理サービスのアイキューブドシステムズ、テレワークの導入が追い風か?(2021年6月26日投稿)

■基本情報(2024年3月1日時点)

  • 株価:1,460円(10年来高値:9,490円)
  • 時価総額:77億円
  • 予想PER:17.4倍
  • PBR:2.93倍
  • 予想配当利回り:2.05%
  • 自己資本比率:72.5%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:1,507人(2023年12月31日時点)

■アイキューブドシステムズの業績は?

 アイキューブドシステムズの2024年6月期の第二四半期の売上高は14.3億円(前年比+8.4%増)、営業利益3.3億円(前年比+6.7%増)の増収増益。アイキューブドシステムズの売上総利益率は+74.8%(前年は+78.8%)、営業利益率は+23.3%(前年は+23.7%)と利益率は高い。

 アイキューブドシステムズの売上総利益は前年の10.4億円→10.7億円と+0.3億円の増加、販管費は7.2億円→7.3億円と+0.1億円の増加となり、差し引きで営業利益は+0.2億円の改善となった。売上高の成長がもう少しほしいところ。

■アイキューブドシステムズの事業状況は?

 アイキューブドシステムズは東京本社だけでなく、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡と全国7か所でサポートできるように営業拠点を拡大している。従業員数は123名、平均年齢36歳、平均年収643万円。平均年齢を考えると、年収はけっして低くない。

 モバイル端末管理の「CLOMO」の導入法人数は5,751社と約半年で+822社増となった。顧客は大きく増えているものの、売上高の成長率がかなり鈍化している印象がある。なお、継続率は97.4%と高いのが特徴。導入法人数あたりの単価(ARPU)は月間4.0万円。2021年度は5.5万円、2022年度は5.3万円、2023年度は5.0万円と下がってきている。中小企業への導入が進み、顧客の規模感が小さくなっているのが単価に表れている。

アイキューブドシステムズの顧客は約6割が大手(従業員数1,000名以上の会社)。大林組、キリン、積水、東京海上日動、佐賀県、JR西日本など。

■アイキューブドシステムズの財務状況は?

 アイキューブドシステムズの2023年12月31日時点の財務諸表をみると、現預金は15.2億円、有価証券5.0億円、無形固定資産3.7億円。負債は、有利子負債はゼロで、契約負債(前受金)が5.5億円ある。財務的には極めて健全だ。

 キャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+5.2億円、投資CFは有価証券取得(5.0億円)があり△8.9億円、財務CFは配当金の支払いがあり△1.6億円となっている。減価償却費が前年同期にくらべて+1.0億円ほど増えているものの、利益が増えており、キャッシュ創出力は間違いなく高くなっている。

■株価の行方は?

 アイキューブドシステムズの時価総額は約80億円。上場時の時価総額(初値)は486億円だったことを考えると、すでに6分の1まで株価は下落している。ただ、株価指標的には割安感はある。サブスクリプション型のビジネスであり、営業利益率が+20%を超えているので、これ以上はなかなか下落しないのではないだろうか。

(画像1)アイキューブドシステムズの株価推移

以 上

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